お寺の未来ブログ

税務調査の心得(前編)

2014年8月13日

「ピンポーン」 
呼び鈴が鳴り玄関へ向かうと、そこに立っていたのはスーツ姿の2人の男。鋭い目と穏やかな口調が特徴的で、日頃、お寺を訪れる参拝者とは少し雰囲気が違う感じです。
「○○税務署の○○です」
「ど、どうぞ、中へお入りください」(これから法事があるのに、まいったな・・・)

税務調査の多くは事前に連絡がありますが、中にはこのように突然やってくる事例もあります。いきなりの訪問では、帳簿整理をする時間もありません。まずは要件を聞くところから。調査官も来客のひとりです。

さて、その日に法事があった場合、税務調査のために法事をキャンセルすることはできないと思います。こんなとき、都合が悪ければその日の税務調査を断ることができます。「逆に怪しまれるのでは?」という不安の声もありますが、その法事が事実なら心配されなくても大丈夫です。相手のほうがアポなしで来たのですから。

税務調査というと、ニュースに出てくるような、段ボールをたくさん押収していく場面を想像されるかもしれません。これはいわゆる「マルサ」と呼ばれ、裁判所の令状を持った「強制」調査です。もちろん事前予告なしに訪れます。しかし通常の税務調査は「任意」調査。なので、あのような仰々しい雰囲気とは少し違います。都合が悪ければ延期することができます。

任意とはいっても調査を拒否すると罰則があります。この場合、日程の「延期」は「拒否」ではありません。どうしても都合が悪いときにはその旨を伝え、別の日程で調整します。

税務署の人事異動は7月。これから税務調査が本格的に行われる季節です。「ピンポーン」と鳴ったら、それは調査官かもしれません。

「はーい、どなたですかー」
「宅急便です!」

後編につづく

河村照円(税理士・行政書士)
真言宗寺院の住職であり税理士・行政書士。高校生の時、自坊に税務調査が入り、「正しい税金の知識があれば余分な納税が必要ない」ことを知ったのがきっかけで税理士を志す。お寺に生まれ育った環境と、専門的知識を活かしてお寺の会計、税務相談を得意とする。帳簿をつけないと税務署に目をつけられる、といった従来の寺院会計の認識を覆し、お寺の未来のための前向きな会計道を推し進める。寺院業界の内側からの視点で説明がわかりやすいと評判。「佛教タイムス」での連載のほか宗門大学や宗派・教区などで講演多数。

 

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