お寺の会計と家庭の会計の境界線

河村照円

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[文・河村照円/真言宗寺院住職・税理士・行政書士]
-通勤時間0分-
職場と生活の拠点が一致しているお寺はたくさんあります。
会社にたとえると家族経営の中小零細企業に似ていますが、お寺には定休日がありません。いつ参詣者がやってくるか分からないし、いつ訃報の電話が入るかわかりません。夕方、お堂を閉めた後も待機状態となるので、「完全オフ」ではありません。
年中無休のこの場所には、仕事とプライベートの境界線は存在しないようです。

このように書くと、多くの僧侶の方が共感してくださると思います。
しかし、この感覚が問題になる場面があるのです。

あるご住職が、水道、電気などの光熱費をお寺の通帳から口座振替で支払っていました。
電話回線は一つで、この電話代もお寺の通帳から引き落とされています。日頃からきちんと帳簿もつけている誠実なご住職。何の疑問も感じることなく、この状態が十年以上続きました。

そんなある日…
突然やってきた税務署の調査官によって「家庭で使用している分を給料にする」と指摘されたのです。
そして、給料に対する所得税を納めるように求められました。「そんなの知らなかったのでびっくりした」と語るご住職。
さらに「こういうことはどこで学べるのですか?」と悲しそうに語る姿がとても心に残っています。

仕事とプライベートの境界線を認識していないのに、寺院用と家庭用の会計を分けるというのは、理解しにくい部分があると思います。
特に電話回線、電気のブレーカー、水道メーター、これらが一つしかないときには、寺院用と家庭用にどのように分けたら良いのか。

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河村照円

税理士・行政書士の資格を持つ住職。24歳の時に父である先代住職が亡くなり、相続を経験する。現在はその経験から相続にまつわる相談を多く受けている。読経の声が良い、話を親身に聞いてくれる、などの評判。

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