卒業生インタビュー 小原泰明

● 本科卒業生インタビュー 私の寺業計画書

地域の喜びと悲しみを
包み込むお寺を目指す

小原泰明

(曹洞宗 日東山西光寺 副住職)
1980年愛知県豊橋市生まれ。駒澤大学仏教学部を卒業後、曹洞宗大本山永平寺にて修行。27歳で曹洞宗愛知県第二宗務所の書記に就任。任期中は、様々なお寺の在り方を目の当たりにし、自坊の事を深く考えるようになった。


  

進行するお寺の危機
檀家さんの本音を引き出すための言葉と考え方がほしかった

「未来の住職塾を受講する前は、目に見える危機感として法事が年間1割くらい減少していることを実感していました。そのような危機がある中で、自坊には総代会がなくバラバラの檀家さんがいるだけのお寺でした。お寺のこれからについて、バラバラの檀家さんに聞いても真の意見が見えません。檀家同士でしか言えないことが必ずあるはずで、その橋渡し役が総代会だと思いました。」

「お寺は社会とコミュニケーションする共通言語を持っていません。総代さんとコミュニケーションする上でも、市井の人々と共通認識を作っていく考え方を手に入れたかったのです。」

  

宗学と未来の住職塾の学びが、
実は相互に補完していることに気付いたことが大きい

「未来の住職塾では伝える力、対話する力が格段につきました。出仕や随喜など宗派で言葉が違いますし、他宗派の人と共通認識を作っていく必要があります。相手の言葉の背景や意味を深く見るようになり、自分の言葉の意味や理由も考えるようになりました。」

「そして、他宗派との違いを生身の人間関係を通じて知ったことで、宗学をもう一度しっかり勉強してみようと思いました。正法眼蔵をしっかり読み、信仰心の深まりもありました。僧侶の指針となる宗学と、利他行を深めるための経営の考え方は、真逆な別々のものではなく実は一続きにつながっているものだと感じます。」

  

酉の市の再生は通過点
悲喜様々な生死を受け止める、地域に根差したお寺が目標

「目に見える成果は、酉の市(100年以上続く自坊のお祭り)です。赤字続きの酉の市が増収となり、巨大熊手には、地元豊橋に支社を置く全ての新聞社と、中京テレビも取材に来ました。今年も酉の市に関する電話が既に鳴り始め、商店街・町内会からも協力の申し出があり、西光寺の認知は確実に広がっています。地元の寺としての根付きを感じます。」

「昔は門前の道が見えないくらい人で溢れました。昔の風景を再現したい。「去年よりも少しでも人が増えることが私から皆さんへの恩返し」と、奉賛会の皆さんにはいつも繰り返し伝えています。」

「西光寺は、人の生き死にに関わり、喜びと悲しみを共に受け止めるお寺を目指しています。喜びとしての酉の市に今は全力で取り組みますが、人を失った悲しみもしっかりと受け止めて供養するため、課題となっている永代供養墓の建立にも取り組んでいきたいです。」

  

実績や価値観を手放し、迷わず飛び込む
その先にはお寺の大きな可能性が広がっている

「百尺竿頭進一歩(ひゃくしゃくかんとうしんいっぽ)。手放して飛び込めという禅宗の言葉です。築き上げてきたものや価値観を一度手放して、更に高みに登れるかということです。私自身まだまだこれからですので、ぜひ新たな受講生の皆さんと一緒に未来の住職塾でこれからのお寺の未来を切り開きたいと思います。」

  

熊手を持って地元ラジオ局に出演
酉の市のイベントをPR
親子で楽しむクラシックライブ
最後は声明とのコラボも

  


卒業生インタビュー『 私の寺業計画書 』

● お寺の可能性を開くのは門徒さんの力と信頼関係
西村達也/聡子 (福岡県北九州市 浄土真宗本願寺派 無量山西法寺)
●「楽しいお寺」で人を集め、「選ばれるお寺」の実現へ
河村照円 (茨城県石岡市 真言宗智山派 阿弥陀院)
● 地域の喜びと悲しみを包み込むお寺を目指す
小原泰明 (愛知県豊橋市 曹洞宗 日東山西光寺)
● 自分が変わり 門徒さんも変わりはじめ そして、お寺が変わった
渡邉元浄 (静岡県伊豆の国市 真宗大谷派 正蓮寺)
miyajima_thumb_circle● 逆境の中、自分を信じて脱皮し続ける女性住職
宮島俊京 (佐賀県杵島郡 曹洞宗 祥雲山弥福寺)
okazawa_thumb_circle● 次代とのご縁を太く育てる、地域に開かれたお寺づくり
岡澤慶澄 (真言宗智山派 金峯山龍福院長谷寺)
sugawara_thumb_circle● 「寺内サンガ」でお寺が、地域が変わる
菅原 昭生/佳子 (浄土真宗本願寺派 温泉津・西楽寺)
okazawa_thumb_circle● 過疎地域から起こす、みんなのお寺改革。若き副住職の挑戦
德永佳嗣 (高野山真言宗 大田井山極楽寺)